平成30年~31年に開催中の、横須賀 千代ヶ崎砲台跡の見学会のレポを紹介します。

千代ヶ崎砲台は三浦半島最大の砲台跡です。

東京湾口を防御するために、施設は明治25年12月6日に起工、明治28年2月5日に竣工されました。

そして、平成28年10月5日に文化財保護法に基づき史跡東京湾要塞跡(千代ヶ崎砲台跡)の管理団体に指定されました。

平成30年から新たに観光農園に残る右翼観測所も見学場所として追加され、埋没していた第三砲座も発掘・公開されるようになりました。

この千代ヶ崎砲台跡は、数ある砲台跡と比べても、明治時代とは思えないほど保存状態が良好で迫力があります!

例えば、有名な猿島砲台跡よりも断然、千代ヶ崎砲台跡の状態がよいそうです。

(知らないのはもったいない!)

今後も開催されるますので、ぜひ見学会に参加することをオススメします!

スポンサーリンク

見学会概要

◆場所:千代ヶ崎砲台跡

◆住所:横須賀市西浦賀6-17-1他

◆MAP:

◆日程:ここはヨコスカHPにて確認

◆応募方法:

希望日、希望時間を「コールセンター」へ電話かFAXで伝えます。

コールセンター 電話046-822-2500 FAX046-822-2539

申込期間:開催月の前月後半(15日前後~月末)を予定。

※電話で申し込み後、以下のような書類が郵送されます。

千代ヶ崎砲台跡見学レポ

見学ルー路は、千代ヶ崎砲台遺構配置図の順路に沿って見学します。

 

千代ヶ崎砲台跡入口へ

千代ヶ崎砲台跡砲台跡へは旧軍道の坂道を上がります。坂道の入り口には以下の案内が貼ってあります。

 

坂道を7~8分登ると砲台跡の入り口に到着します。(ここが見学会集合場所です)

  

10分ほどの説明後にスタート。

入り口正面にある堀井戸。

第三~第一砲座まで上から見学

3つの砲座は地面から約6mほど掘ったところに砲台を隠すように作られています。

第三砲座

第三砲座は埋没しており、一面、野原になっていました。自衛隊がテニスコートとして使っていたそうです。

その後発掘し、平成30年2月に一般公開されました。

特徴的なのは、手前の砲座の土台に自然石が使われている点です。これは発掘されるまで分からなかったそうです。

もう一方の砲座は土で埋まった中心に穴の開いたコンクリートの板が渡してあります。

戦後自衛隊が入るまでの一時期、砲台跡は近隣農家が牛や豚を飼うのに利用されていたそうです。

このコンクリート板は農家の人たちが農業目的で使っていたのではないかとされています。

第二砲座

第一砲座

この後、内部を見学した第一砲座を上から撮影。

逆側の画像。中央に内部に続く高塁道への入口が見えます。

第一砲座の内部へ

第一砲座の内部へは露天塁道を通って行きます。塁道両脇には雨水を溜めるための水路が走っており、生活用水として活用していました。

隋道内の諸施設において、露天空間は、凝灰質礫岩の切石による石造り、隋道内ではオランダ積み(長手段の端を七五の隣を小口で継ぐ段と長手でのばす段で交互に積み上げる)のレンガ造りになっています。

レンガの欠けや崩れがほとんどなく、本当にキレイな状態で保たれていました!

また、きっちり詰まれたレンガを見ると、明治時代の技術の高さが分かります。

入り口に使用しているレンガは、強化するために焼きすぎレンガ(普通の煉瓦より高温で十分焼き込んだ煉瓦。吸水性が低く、摩滅や衝撃に強い。)を使用しています。

千代ヶ崎砲台は、諸施設の機能や建築技術ともに進歩しており、そのひとつに貯水と排水システムがあります。

高台の施設のため、生活用水を確保するのは困難ですが、なんと、塁道の南北には雨水を集水・ろ過し、貯めておく貯水所があります。

また、これとは別に油を使う砲座や弾薬庫の雨水汚水は流路が分けられており、砲台の外に排水される仕組みに設計されています。

驚くべきことに、ろ過装置は今も生きていて、その水が以下の写真のとおり貯水されています。

中を覗いたら、透明度の高いきれいな水が溜まっていました!

棲息掩蔽部(せいそくえんぺいぶ)。さまざまな物資を保管する倉庫のこと。

 

棲息掩蔽部内部。左右の小さいスリットは換気孔です。

 

棲息掩蔽部入口の窓の下のレンガに桜花の刻印がありました。(分かりにくいのですが、写真赤丸部分です)

これは、東京都葛飾区の小菅にあった東京集治監(当時の刑務所)の囚人によって製造された煉瓦を表すそうです。

砲側弾薬庫脇の交通路。中は真っ暗なため貸してもらった懐中電灯をつけて歩きます。

砲側弾薬庫揚弾室

弾薬を吊り上げた天井の穴

第一砲座跡の内部を見学。榴弾砲(りゅうだんほう)が設置されていた台座跡が二つ並んでいます。

側面のくぼみの内部には伝声管が通っていた丸い穴があります。(赤い丸部分)

大砲を撃つ人は地上が全く見えないので、この伝声管を通して指令を受けます。心臓部ですね!

その当時の砲台の写真です。耳をつんざくような大爆音だったことでしょう!

より臨場感が増すと思うので、レプリカの設置を希望です!(笑)

右翼観測所

見学の目玉の一つである、新たに公開された右翼観測所を見学します。

観光農園の敷地内にあるため、見学許可を取るのに時間がかかったそうです。

前回は見学不可だったので本当に楽しみです♪

第一砲座から露天塁道へ戻ってしばらく歩くと、行き止まりに扉のついた格子状の柵が現れます。

ここが右翼観測所への入口です。

柵を囲うレンガは、斜架拱(しゃかきょう)というレンガをねじったような特殊なレンガ積みとなっています。

斜架拱は、適当にレンガを積んだのでは絶対に出来ない、緻密な構造計算のもと作成されたものだそうです。

当時の技術力の高さが伺えますね。

斜架拱

観測所の入口です。ここもオランダ積みのレンガで造られています。

入口から少しはいったところ。

観測所の詰め所と考えられる部屋

伝声管(デンセイカン)の穴

部屋を出た正面には地上に上がる階段があります。

地上に上がると観測施設の跡や海が一望できる景色が広がります。

観音崎の砲台跡や夏島などの観測所はほとんど形跡が残っていませんが、この千代ケ崎砲台は驚くほどきれいな状態に保たれています。

まず、このことにびっくりしました!

観測所は左右2つ横並びになっており、手前(右側)が上部観測所、奥(左側)が補助観測所となります。

当時は、往時は鉄製の天蓋で覆われていたようです。

中央の円柱は「測遠機台座」です。

観測所だけあって、東京湾が見渡せる絶好のロケーションでした!

すこし雲があるのが残念ですが隠れた名所だと思います。普段、自由に入れないのがちょっと残念・・。

砲塔砲台

次にこの場所から、「砲塔砲台」を見学しますが、長くなってしまったので別ページに掲載しました。

こちらから別ページへジャンプします。

◆まとめ

千代ヶ崎砲台跡は、その当時の最高技術を駆使した近代土木建築を見たり、砲台の台座やレンガ構造を眺めながら、明治に日本の歴史に触れる一日となりました。

遺構好きな方はもちろんのこと、自分のようにほとんど知識がなくとも、見るだけで十分に楽しめる場所です。

千代ヶ崎砲台跡は日本遺産に登録されました。今後、整備・活用されていくことで、地域活性化につながって、ぜひ盛り上がってほしいと思います。

下手な箱物やテーマパークなどよりずっと面白いと思いますよ。

なんといっても歴史の重みと本物の迫力があります。

繰り返しになりますが、見学会は不定期に開催されていますので、横須賀観光情報のHP でぜひチェックしてみてください♪

スポンサーリンク